この空のまもり

 

この空のまもり (ハヤカワ文庫JA)

この空のまもり (ハヤカワ文庫JA)

 

 奈良に住んでいる友人から借りました。

 あらすじは

強化現実技術により、世界中のあらゆる場所と人に電子タグをはりつけられる時代。強化現実眼鏡を通して見た日本は、近隣諸外国民の政治的落書きで満ちてい た。現実政府の対応に不満を持つネット民は架空政府を設立、ニートの田中翼は架空防衛軍10万人を指揮する架空防衛大臣となった。就職を迫る幼なじみの七海(ななみ)を気にしつつも遂に迎えた清掃作戦は、リアル世界をも揺るがして……理性的愛国を実践する電脳国防青春SF!

公式サイトより抜粋

 

 読みやすく正統派のSF小説でした。

 一つの事件を立場や考え方の違う人々の視点から描いているところがこのお話の根幹にマッチしていてよかったです。当たり前なんだけど年齢や立場が違えば同じ事象でも感じ方が変わってしまう物。その描き方が絶妙でした。

 自分が不幸なのを誰かのせいにしてしまうのは簡単なことですがそれでは絶対に幸せにはなれないんじゃないのかなとこの本を読み改めて感じます。同時に今の日本人は考えることを放棄しすぎているんじゃないかなと言う不安も感じます。

 ひとつの物事を違った視点から見ることが出来るのが読書のよいところですね。